車、バイクの中では地味な分類でありながらもトラブルが多く、また苦手意識の強い人も多い電装系。配線だけではなく、古くなればさまざまな問題点が出てくる部分でもある。
旧車の場合、車体の保管状態が良くても、配線類は経年劣化していく部分である。また1本の劣化で車両が動かなくなることもある。配線の被膜の硬化や、カプラー、ギボシ、配線自体の錆など原因はさまざまである。特に被覆の破れは、アースされると燃えることもあるので本当に厄介だ。できればハーネス全交換したいところではあるが、すべてを交換することになった場合簡単にはいかないことが多い。フルオリジナルの状態で維持されている車両であれば、配線図通りに組んでいけば問題はない。しかし、旧車は長い期間にダイナモをオルタネーターに交換してあったり、ライト類にリレーを入れてあったりスイッチが増設されていたりさらには使えなくなった配線のバイパスや、別の場所から電源を引いたり、前オーナーが配線図と異なる仕様に交換している可能性もある。所有者が何人もいれば、厄介な配線になっていることもある。
旧車の配線は現代の車両に比べて配線の数も少なく配線図もシンプルではあるが1本でも間違えてしまうとエンジンがかからないなど調子が悪くなってしまう。電装系のトラブルは奥が深く、修理自体は簡単でも、原因を追求するのに時間がかかることもある。何かと厄介ではあるが長く乗るためには克服しておきたい部分でもある。古い車両を所有する以上、苦手意識のある人でも少しずつ挑戦して、自分なりに電装系の知見を蓄積していくことをオススメしたい。