新品タイヤの慣らし運転

春になり、ツーリングの季節になってきた。タイヤを新品に交換すると、「最初は滑りやすいので注意して走行してください」といった注意を受ける。新品と聞くと一番いい状態と思いがちで、どれだけグリップするのか試したくなるかも知れないが、実にそれはご法度。
新品タイヤは表面が路面とまだ馴染んでいないので、いきなり倒しこんだ瞬間にスリップして転倒ということになりかねない。
新品タイヤはホイールに組み込んですぐのタイヤは、内部のカーカスがまだ荷重を受けてたわんでいないため、衝撃を吸収減衰する性能が発揮されない。条件が重なるとスリップしやすい状況に陥ることもある。タイヤの温度を高めることが重要。徐々にバンク角を増やしても、荷重がしっかりかかっていない状態では温度上昇を得られず、スリップしやすい状態のままだ。
気温や路面温度が低い冬場は誰もが気をつけるだろう。真夏でもタイヤが揉まれていないと、表面は熱くても中まで熱が伝わっていないことが多い。タイヤはトレッドだけではなく、全体で性能を発揮するということを、常に意識してほしい。

Author: 工場長(和田悠輝)